38 脳【知性】宇宙との対話
38-1 脳の成長
○脳の神経細胞間の新たな接続は生涯形成され続けるが、使われなかったものは取り除かれる。
○11歳になると不要な接続は急速に取り除かれ、神経が太くなる(ミエリン鞘の発達)
ことで神経細胞は信号をより早く伝え、効率よく情報処理を行う。
○前頭前野のミエリン形成は25歳頃まで活発に続く。
○脳は訓練で変化する=性格は変わる。
その方法。
1.ポジティブな思考=ネガティブな思考を振り払う。
2.ポジティブな行動
3.人生をコントロールする。
4.継続する。・・・簡単には変わらない。
【参照】エレーヌ・フォックス/心と脳の白熱教室 第4回「あなたの性格は変えられるか」
https://www.youtube.com/watch?v=S-dIiOugUJE
☆脳は成長するコネクトーム!
・・・脳は宇宙で最も高度な構造体ということだけでなく、成長もするのだ!
※コネクトーム(connectome)[1] [2]とは、生物の神経系内の各要素(ニューロン、ニューロン群、領野など)の間の詳細な接続状態を表した地図、つまり神経回路の地図のこと。つながる、接続するといった意味を持つ英語のコネクト(connect)という言葉と、「全体」を表す-オーム(-ome)という接尾語から作られた言葉。イヌやサルではなく、人間の神経回路地図全体のことを言うときは特にヒト・コネクトーム(Human connectome)と言う。コネクトームの調査、研究を行う分野はコネクトミクスと呼ばれる。
※研究の現状
ヒトゲノムの解読は2003年に終了が宣言されたが、ヒト・コネクトームの解読はまだ端緒についたばかりである。人間の脳には1000億ほどの神経細胞があり、それらの間に1兆ほどの接続が存在すると考えられている。これは30億ほどの塩基対(2-3万の遺伝子)で構成されているヒトゲノムよりはるかに複雑な対象
☆脳に匹敵するのは、成長できる人工知能(Growing artificial intelligence; GAI)ということになる。
☆成長できる人工知能(GAI)は脳と人工知能の複合体である。
☆なぜなら、脳こそ宇宙で最も高度な構造体であるから。
☆人間の役割の一つは、GAIを宇宙に送り出すことである!
38-2 脳の特徴
○脳の特徴は学習と創造。
○大脳皮質にはベイジアンネット、自己組織化マップ、独立成分分析、強化学習の機能がある。[3]
※ベイジアンネット:確率論に基づいた推論を効率的に行うための技術。 脳の機能の1つである直観と似た働きをする。脳の情報処理原理の解明の鍵となる技術。[3]
・イギリスの牧師トーマス・ベイズ(1702年(?) - 1761年)によって1763年に発見されたベイズの定理をもとにしている。
※自己組織化マップ:コホネン(T. Kohonen)により提案された教師なしのニューラルネットワークアルゴリズム。
※独立成分分析(ICA):多変量の信号を複数の加法的な成分に分離するための計算手法。典型的なICAの応用として、室内で録音された複数の人間の会話から特定の人物の声を抜き出す音源分離がある。
※強化学習:試行錯誤を通じて環境に適応する学習。
38-3 脳科学研究の状況
○米国では2013年にオバマ政権が提唱した脳科学への大型研究助成である「BRAINイニシアティブ」が実質的に始まった。欧州(EU)でも、脳科学・情報科学プロジェクトである「Human Brain Project」が本格化した。日本では、Brain/MINDSプロジェクト(「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」、通称「革新脳」http://brainminds.jp/ )の構想が明らかにされた。[4]
○BRAIN initiative [5]
・2013年4月2日 オバマ米大統領が発表した
※BRAIN: Brain Research through Advancing Innovative Neurotechnologies
・目標:脳を構成するニューロンが作る神経回路や脳が働く時の活動の様子を、マクロからミクロまで完全に明らかにする「脳マップ」の完成。
※脳マップ作製の目的:アルツハイマー病やパーキンソン病のような脳変性疾患において見られる作用やメカニズムの解明し、治療法の開発につなげること。
・2018年 マウスの大脳皮質全体の神経細胞からのデータ収集
【参 考】
[1] Wikipedia/コネクトーム
[2] TED日本語 - セバスチャン・スン: 私はコネクトームである
http://digitalcast.jp/v/12145/
[3] 産業技術総合研究所 > 一杉裕志 > 脳とベイジアンネット > 脳とベイジアンネットFAQ( 2011-05-26 更新)
[4] 山形方人(ハーバード大学・脳科学センター)
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141227/181436/
[5] 米国の脳研究プロジェクト/山形方人(ハーバード大学・脳科学センター)
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20131224/173054/
[6] 欧米における脳科学関連大型プロジェクトの 動向について/日本脳科学関連学会連合 将来構想委員会 岡部繁男(東京大学) 本田学(国立精神・神経医療研究センター)
http://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n1160_01.pdf
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