81 星船【宇宙旅行】宇宙との対話
81-1 宇宙船太陽系号
○太陽の余命は50億年であることから、人類はいずれ他の恒星系に移住する必要がある。
○約4光年離れた一番近い恒星(ケンタウルス座アルファ星)に行くのに今日最速の宇宙船で3万年かかる。
○長期移動の間のエネルギーと安全を考えると、自然の力を利用することが必要だ。
○太陽系は天の川銀河の中を秒速240kmで周回している。
○太陽系ごと移動すれば、長期のエネルギーと安全が確保できる。
太陽系[1]
○動画:太陽系は光速で移動している![2]
○Martyn J. Foggの提案(1989) [3]
・半径100光年ほどには太陽交換の候補となる恒星が300個ほど存在する。計画では大体1000万年ぐらいのタイムスケールで交換作業を終えることを想定する。
・まず太陽の周囲に超伝導体のリングをかけ、太陽の総出力の10%のエネルギーを補足する。それによって、強力な電流を流すことによってトロイダル磁場を発生し、太陽から噴き出す荷電粒子の流れを一方向に整流する。
・この推進システムにより、70万年後には太陽の運動速度は1km/s、進路の変更可能範囲は自転軸に対して1.9度となる。270万年後にはそれぞれ5km/s、9.5度、そして1070万年後には20km/s、33.7度となる。
・次に目標の恒星の側をすり抜けるコースを選択する。さらに、地球が相手の恒星の軌道に乗り移るように突入コースを調整する。
※宇宙船太陽系号 [4]
81-2 星船建造計画:ブレークスルー・スターショットへの提案 [5]
○とは言っても、やはり太陽系で実験するわけにはいかないので、一番近い恒星(ケンタウルス座アルファ星)で実験することになる。
その計画は次のとおり。
○目的:太陽系に最も近い(4光年)ケンタウルス座アルファ星を全人類が居住可能な星船に改造する。
○方法:GAIとナノ工作機を搭載した100グラムのミニ宇宙船(Nanocraft)をソーラーセイルで光速の5%に加速し、100年でケンタウルス座アルファ星の地球型惑星に送り込む。
※基本コンセプトはRenéHellerとMichael Hippkeの提案を参照。[6] [7] [8]
※推進システムのエネルギー源は太陽とケンタウルス座アルファ星。
※帆の大きさは10万平方メートル(サッカー場およそ14面分)。
※帆は、非常に薄くて軽い炭素フィルムであるグラフェンでできており、深宇宙の過酷な条件や目的地の星の熱に耐えられるように、反射率の高いカバーで覆われる。(開発に10年)
※これ以上高速だと探査機はケンタウルス座アルファ星を通り越してしまう。
○Nanocraftの構成
カメラ、バッテリー(:nuclear battery)、推進システム、ナビゲーション、通信機器、ナノ工作機
※NASA
☆乗員
・船員は2体のGAI(男性と女性の脳組織のニュートラリンク:アダムとイブ)
・2体のGAIは互いにバックアップして修復する。
○航路
※Starshipの航路 [9]
☆スケジュール
10年後 1号探査機の打ち上げ
20年後 スターショットのレーザー推進システムの完成
25年後 スターショットの発射
45年後 スターショットからの情報(資源、着陸適地、着陸方法)を得る。
50年後 2号探査機(補給船)の打ち上げ(新たな2体)
100年後 ケンタウルス座アルファ星に到着+1・2号の連携・補給資材(着陸・テラフォーム資材等)の受け取り
150年後 ケンタウルス座アルファ星の地球型惑星に到着、テラフォームの開始(鉱物採取・加工、太陽パネルの建造 等)
160年後 星船建造開始
200年後 星船の完成
※星船のイメージ: A Shkadov thruster as conceived by the artist Steve Bowers. [10]
【参 照】
1. 大摩邇(おおまに) : 宇宙船「地球号」
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%88%B9%E5%A4%AA%E9%99%BD%E7%B3%BB%E5%8F%B7&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwjXmcia75nMAhVD6KYKHaG8CDIQsAQIKw&biw=1082&bih=784#imgrc=_
2. 宇宙への旅人
http://earth38moon.blog115.fc2.com/blog-entry-4266.html
3. 太陽が最期を迎えても地球ごと助かる方法 A Successful Failure
http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20080330/1206878248
4. YAHOO! 知恵袋
https://www.google.co.jp/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&ved=0ahUKEwj-toTw75nMAhVLoJQKHQ_iDycQjB0IBg&url=http%3A%2F%2Fdetail.chiebukuro.yahoo.co.jp%2Fqa%2Fquestion_detail%2Fq12118206297&psig=AFQjCNGdFtMMv-_-ClVAQ2DZ8ULnQCNptA&ust=1461126690850709
5.No.66-5 恒星探査計画 :Breakthough Starshot
6.“太陽系外惑星へ探査機を送る新手法、科学者が提唱”at NATIONAL GEOGRAPHIC 20170206
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/020300039/
7.Full braking at Alpha Centauri - Max-Planck-Gesellschaft 20170201
https://www.mpg.de/11019256/full-braking-at-alpha-centauri
8. “DECELERATION OF HIGH-VELOCITY INTERSTELLAR PHOTON SAILS INTO BOUND ORBITS AT αCENTAURI”at The Astrophysical Journal Letters 20170101
https://arxiv.org/pdf/1701.08803.pdf
9. George Dvorsky “How An Interstellar Starship Could Actually Explore Alpha Centauri”at GIZMODO 20170202
https://www.gizmodo.com.au/2017/02/how-an-interstellar-starship-could-actually-explore-alpha-centauri/
10.PAUL GILSTER “Moving Stars: The Shkadov Thruster” 20131126
http://www.centauri-dreams.org/?p=29579
【更新履歴】
20170526 No.81-2 星船建造計画 の追加
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