2015年10月28日水曜日

26 超弦理論【宇宙とは】宇宙との対話

26 超弦理論【宇宙とは】宇宙との対話

[電磁気力+弱い力+強い力+重力]
・ミクロの世界で働く力やそこで起こる現象は量子論で、巨視的な重力現象は一般相対性理論で説明できるようになっている。
・そして、1980年頃から世界中の科学者が量子論と一般相対性理論を統一して、ミクロから巨視的な世界までを説明できる超弦理論の開発に取り組んでいる。
・量子論は重力との相性が悪く、量子論を重力に対して当てはめると矛盾した結果が得られてしまう。

・例えば、(初期の)宇宙のサイズが点のように小さいとすると、そのエネルギーは無限大になる。この無限大の点のことを特異点という。
・特異点では時間も空間も消滅し、すべての物理法則が成り立たない。
・超弦理論のように、素粒子は点ではなく、ひもでできていると考えると特異点が出てこない。

・超弦理論は、素粒子を弦の振動として表すことにより、重力を他の3つの力と同じように扱うことができる。
・また、超対称性を取り入れてフェルミオンとボソンを一つにまとめることができる。


・ただし、超対称性があると考えると、粒子と反粒子を反転したパートナー粒子を想定する必要があり、粒子の数は100種類を超える。

・この理論の想定する「ひも」の大きさが実証不可能に思えるほど小さい(プランク長程度とすると10のマイナス35乗メートル)ことなどから、超弦理論は物理学の定説としての地位を得るには至っていない。
○われわれの身体に対する原子核の比より、原子核に対する「ひも」の比の方が小さい・・・小さすぎて、どんなことをやっても検証しようがない。「世にも美しい数学入門」藤原正彦/小川洋子(p.121)

【参 照】
1.「宇宙の数学とは何か」大栗博司(東京大学数物連携宇宙研究機構、カリフォルニア工科大学)
http://www.theory.caltech.edu/~ooguri/mathuniverse.pdf
2.「アインシュタインの夢と超弦理論」 基礎物理学研究所 江口徹教授
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1286328830436_02/news/20120113-OYT8T00978.htm
3.Wikipedia 一般相対性理論

○超弦理論によれば、4から10までの空間次元はきわめて微小な「プランク距離」(10のマイナス35乗m)の大きさに畳み込まれている。

○超弦理論では、メンブレンをどのように表現すればいいのかわかっていない。
【参 照】ミチオ・カク/ニューヨーク白熱教室「アインシュタインの夢」20150403

<多元宇宙(マルチバース)>
・超弦理論は、ビッグバンが何度もあったことを示唆する。つまり、宇宙は1つではなく多元であり、並行宇宙があるということになる。
・並行宇宙では、物理法則は異なるが、超弦理論は適用可能だそうだ。
【参 照】No.28 並行宇宙

○課題
・2013年4月のLHC実験では、超対称またはカルツァ - クライン余剰次元の証拠を見つけることができなかった。
【参考】Wikipedia: Loop Quantum Gravity

0 件のコメント:

コメントを投稿