2016年12月2日金曜日

18  量子力学

18  量子力学【宇宙とは】宇宙との対話

18-1 量子力学とは? [1]
○エネルギー、長さ、速度、時間などの物理量には、それ以上分割できない最小単位(量子)がある。

○電子(:2.8×10^-15m)程度の大きさの粒子(物質)は波動方程式(シュレディンガー方程式:偏微分方程式 1926)を解いて波動関数を得るか、ハイゼンベルクの運動方程式(行列式 1925)を解くとその状態(エネルギーの値)が分かる。
※波動方程式とハイゼンベルクの運動方程式は数学的に等価。

○波動方程式
・量子力学の基本方程式。古典力学のニュートンの運動方程式と対比される。
・物質波の状態を確率的に計算することが出来る。
・波動方程式は古典力学や数学から厳密に導けるものではない。現象を上手く説明する方程式。
※相対論は古典力学

:換算プランク定数(エイチバー)
t:時間
m:粒子の質量
Ψ(プサイ):波動関数(wave function):波動を表すために導入した複素量
X:位置
V:ポテンシャルエネルギー

○波動関数の2乗は粒子の存在確率。
・下図は物質の存在確率とエネルギー状態のグラフ。[2]

※赤色の線はエネルギーの状態(n)で、存在確率とnは飛び飛びに変化する。
※ニュートン力学の場合にはその赤線が示す幅の内側で粒子が振動するが、量子力学的な存在確率の波はその範囲を越えて広がっている。

☆宇宙は、エネルギーが数学的な規則に従うことで、全く同じ性質を持った粒子を限りなく持つ! 

○量子論的な真空のゆらぎにより宇宙が誕生した。

○波動方程式が複素数を含むので波動関数は複素数の関数。
・・・宇宙は虚数によって表現される! [3]

18-2 物質波(ド・ブロイ波(de Broglie wave))の理論
○極微のレベルでは粒子と波との間に厳密な境界はない。
→波動として存在をとらえたとき、物理学ではそれを「場」と呼ぶ。たとえば光は電場と磁場の波動である。

※波としての性質が実際に観測されるのは、電子線のような極めて微視的な状況下。
※電子は波で(その大きさを求めることは不可能)、原子核における電子の軌道の長さは波長(10のマイナス10乗m)の整数倍。
=電子が原子核に落ち込まない理由

○複素数の波のイメージ [2]

※波全体が1個の粒子を表す。
※波の高さや深さは波動関数の大きさに相当する。:ド・ブロイ波=波動関数

○粒子の波:複素数で表される空間を動く波 [4] :方向の無いスカラー波

  
○量子力学の成果 [5]
・原子内部の運動の説明
・化学反応(共有結合)を計算で説明
・反物質、負のエネルギーの存在説明
・半導体工学の基礎理論 → 電子機器の設計
(レーザー、トランジスタ(マイクロチップ)、電子顕微鏡、MRI、発光ダイオード、USBメモリ)
・超電導、超流動の基礎理論
・量子暗号
・量子コンピュータの開発
・量子テレポーテーション
・並行宇宙論

○課題
・量子力学と一般相対性理論を合わせた理論(量子重力理論)は、いまだ完成されていない。

18-3 不確定性原理 → No.19

【参 照】
1.五十嵐靖則“量子論の世界がわかる”
https://books.google.co.jp/books?id=rJwmaVXTRRgC&pg=PA104&lpg=PA104&dq=%E8%A4%87%E7%B4%A0%E6%95%B0%E3%81%AE%E6%B3%A2%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8&source=bl&ots=6DM1n4CVte&sig=Kjo5ljS7cub5_e8NKjOKj7CISrY&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwiZ0978pdzOAhWGFJQKHd60AUUQ6AEIOTAM#v=onepage&q=%E8%A4%87%E7%B4%A0%E6%95%B0%E3%81%AE%E6%B3%A2%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8&f=false
2.広江 克彦”EMANの量子力学”
http://eman-physics.net/quantum/contents.html
3.虚数は私たちの世界観を変えてしまった。 - とね日記
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ed35400df27a2bc7e597531c08d99869
4. EMAMの物理学・量子力学/調和振動子
http://eman-physics.net/quantum/oscillator.html
5. Wikipedia:Quantum mechanics

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