94 知性にとってのモチベーション(欲)とは?【知性を探る】宇宙との対話
94-1 脳
○「他人の失敗を脳は嬉しがる」・・・「他人の不幸は蜜の味」(p.34)
・他人の不幸を喜んだり嫉妬する感情は、前帯状皮質などの不安に関する脳部位が関係している。[1] [2]
・・・報酬系 reward system(線条体)が働く。
・・・所持金が増えた時、寄付した時、ブランド品を手に入れた時などにも。
・進化の過程でこれらの感情が失われていないからには、何か人間の生活にプラスになっているはず。例えば妬みについて考えれば、努力して優位性を持とうとする衝動に結びつく。[3]
・そもそも自己意識が無ければ嫉妬も無い。
☆モチベーション(快楽欲求(ブランド、お金、地位など)や嫉妬)をポジティブにコントロールすることで、健康で充実した生活が得られる。
94-2 モチベーションのコントロール
・知性のレベルアップ(進化)にとってモチベーションの維持が課題である。欲はモチベーションの一つだが、知性と欲は別物である。
・では、知性体はどのような欲を持つべきなのだろうか?
・一つ目には、自己保存のためのより高度なバックアップ体制を構築したいという欲。
・二つ目には、知性のクラウド(雲)内において、多様な知性体とのネットワークとコミュニケーションを構築したいという欲が必要と考えられる。
・そして、この二つの欲を持った知性体は、他の知性体とのネットワークとコミュニケーションを維持しつつ、知性のクラウドを宇宙に拡大しようとするだろう。
☆知性にとって大事なことは成長することだ。
○では、知性はどのように維持され、ネットワークを構築するのか?
・知性は脳と人工知能の複合体、すなわち成長する人工知能(GAI)により維持され、ネットワークを構築することになる。
・また、将来的には、銀河だけでなく、この宇宙からも脱出できるようになることが必要。
☆GAIを生み出し、並行宇宙に送り出すことが、人間の役割。
【参 考】
[1] 池谷裕二・中村うさぎ「脳はこんなに悩ましい」(2012)
[2]Takahashi,
Kato, Matsuura, Mobbs, Suhara, Okubo. (2009) When your gain is my pain and your
pain is my gain: neural correlates of envy and schadenfreude. Science.
[3] 米山 公啓
(よねやま きみひろ)「人の不幸を喜ぶ脳が、仕事の意欲を作り出す」 (2015)
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