2019年3月15日金曜日

32 宇宙とは?+宇宙論の歴史 #宇宙論

32 宇宙とは?+宇宙論の歴史 #宇宙論

32-1 分かっていること
1)天体の動きや宇宙の進化などマクロな現象は一般相対性理論で説明できる。
2)ミクロの世界を記述する量子力学を用いて、「電磁気力」「強い力」「弱い力」の3つの力を説明できる。・・・標準理論、ヒッグス粒子 等
3)一般相対性理論と量子力学の統一の行方は見えない。

⇒宇宙は膨張しているが、現時点でその未来を見通すことはできない。

32-2 ホーキングの疑問
Q:宇宙はなぜ、存在するという面倒なことをするのか?
Q:統一理論には自分自身の存在をもたらすほど大きな強制力があるのか?
Q:それとも創造主が必要なのか?
Q:もしそうだとすれば、創造主は宇宙に何か他の影響も与えるのではなかろうか?
Q:そして、創造主を創造したのはだれなのか?

出典:「ホーキング宇宙を語る」スティーブン・W・ホーキング(1995年4月15日発行)
 (p.239)

32-3 フリーマン・ダイソンの言葉
○統一理論のようなもので科学を研究し尽くせない――フリーマン・ダイソンはその理由を、ゲーデルの不完全性定理で説明する。



☆並行宇宙のイメージ

【宇宙論の歴史】
1895年 ウィリアム・ジェームズ 多元宇宙という言葉を作る。
1900年 マックス・プランク(1858 -1947) は、光、X線その他の電磁波は、量子と彼
が呼んだ一定のかたまりとして放出されると唱えた。
1905年 特殊相対性理論 [1]:アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)が発表した電磁気学の理論。[電磁気力]
1913年 ボーアの原子模型(ニールス・ボーア(1885-1962)):電子は波で、原子核を回る軌道の長さは波長(10のマイナス10乗m)の整数倍(ボーア、ド・ブロイ)
1915-1916年 一般相対性理論 [1] [電磁気力+重力]
・質量が時空間を歪ませることによって、重力が生じることを説明した。
・ニュートン力学[2]で記述すると誤差が大きくなる現象(光速度に近い運動や、大きな重力場における運動)を正しく記述できる。
・時空は膨張または収縮し、定常にとどまることがないこと、限られた空間に大きな質量が集中すると、光さえ脱出できないブラックホール[3]が形成されることを予測した。
・重力波[4]の存在を予測。
1920年代 量子力学
・原子・電子・電磁波は粒子としての特徴をもつと同時に波としての特徴をもつ。
1922 年 フリードマンが一般相対論方程式の中に膨張宇宙解を見つけた。
1925年 パウリの排他原理
1926年 ヴェルナー・ハイゼンベルグが、不確定性原理[5]をまとめあげた。
※不確定性原理:波のような系に備わっている特性。一対の物理的性質(例えば位置と運動量)を同時に知ることには、精度の根本的限界がある。
1928年 ディラック理論・・・量子力学と特殊相対性理論のどちらとも整合性のある理論
→電子にはパートナーとなる陽電子(反物質)がある。
1929年 宇宙膨張(銀河の赤方遷移)の発見(エドウィン・パウエル・ハッブル)
1932年 陽電子(反物質)の発見
1934年 フリッツ・ツビッキーが暗黒物質を提唱 [6]
1948年-ビッグバン・モデル(ガモフ)[7]
-量子電磁力学(Quantum electrodynamics, QED)[電磁気力]
・電子を始めとする荷電粒子間に働く電磁相互作用を光子という粒子の受け渡しにより説明した。
1957年  ブライス・デウィットが多世界解釈を提唱。
1960年  フリーマン・ダイソンがダイソン球を提唱
1964年-ピーター・ヒッグスが質量の生成に関する理論を提唱した。[8]
-宇宙マイクロ波背景放射[7]の発見
1968年 ワインバーグ=サラム理論[9] [電磁気力+弱い力]
1970年 ペンローズとホーキングの共著論文
:一般相対論が正しく、かつ宇宙が、われわれが現に観測しているのと同じ程度の物質を含んでさえいれば、宇宙のごく初期にはビッグバン特異点があったはずだということを最終的に証明した。
・特異点では、量子力学が扱う小さな尺度の効果が無視できなくなる。
・しかし、量子効果を考慮に入れると特異点は消え去る。・・・?
1970年代 
・宇宙の始まりに存在したのは唯1つの力だけで、その後、電磁気力、弱い力、強い力、重力の四つに分かれたという考え方から、これら四つの力を一つの形で表して統一しようとしている。
○標準理論( Standard Model, SM) [電磁気力+弱い力(+強い力)] [9]
○大統一理論(Grand unification theory or Grand unified theory、GUT)[電磁気力+弱い力+強い力]  [10]
1970年代後半 量子色力学 [9]
1980年代 素粒子論的宇宙論 [10]
1981年 インフレーション理論 [11]
1984年 超弦理論(Superstring theory 1984) [12] [電磁気力+弱い力+強い力+重力] 
1986年~  ループ量子重力理論 [13]
1995年 M理論[電磁気力+弱い力+強い力+重力] [14] 
1998年 -マイケル・ターナー 暗黒エネルギーという言葉を作る。[6]
      -宇宙の加速膨張を観測(ブライアン・シュミット)
2016年 スタジオ・グーダ! 暗黒物質の構造を提案 [15]

【参 照】
1. No.14 相対性理論
2. No.13 ニュートン力学
3. No.80 ブラックホール
4. No.29 重力波
5. No.16 不確定性原理
6. No.9 暗黒物質と暗黒エネルギー
7. No.18 ビッグバン・モデル
8. No.23 ヒッグス場/ヒッグス粒子
9. No.19 標準理論(標準モデル)
10. No.21 素粒子論的宇宙論
11. No.21-2 インフレーション理論
12. No.24 超弦理論
13. No.26 ループ量子重力理論
14. No.25 M理論
15. No.86-4-2 暗黒物質の構造

【更新履歴】
20170416 宇宙のイメージの追加
20170515 No.32-1 分かっていること の追加
20171030 No.32-3 フリーマン・ダイソンの言葉の追加
20180917 図の更新

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