2019年3月31日日曜日

80 ブラックホール #ブラックホール

80 ブラックホール #ブラックホール

80-1 ブラックホールへの旅
○2011年9月 超巨大ブラックホールが、おとめ座の方向に約5440万光年離れた位
置にあると発表された。[1]
○質量が太陽の約30倍以上ある星の場合にブラックホールになる。
○ブラックホールは極めて重力が強く、近くの物質だけでなく光さえ吸いこんでしまう。

○ちなみに、現在の宇宙船の航行速度は、4光年を250年程度だから、このブラックホールまでの宇宙旅行には、約22万年要することになる!!!

(参 考)[2]
・ 物質の運動に相当する宇宙ジェットや、ブラックホールに吸い込まれていく物質が出すと理論的に予想されるX線が観測されている。
・ アインシュタイン方程式の解には、ブラックホールを時間反転させたホワイトホール解が存在する。
・ ブラックホールに吸い込まれた情報は失われない。




80-2 ブラックホールの蒸発:ホーキング放射

1974年 スティーヴン・ホーキング
・量子論の特徴の一つは、からっぽの空間というものがないことである。
・一見空っぽに見えても、ミクロなスケールでは常に正エネルギーと負エネルギーの仮想粒子の対生成がおこなわれている。(:真空のゆらぎ)

・さて、事象の地平線のすぐ外側の領域では、正エネルギーの粒子は、エネルギーが大きければブラックホールから逃れることができる。
・一方、負エネルギーの粒子はブラックホールに吸い込まれる。

※事象の地平線:事象の地平線よりも内側では、ブラックホールから脱出するために必要な速度が光速よりも大きくなるため、どのようなものもそこから逃げ出すことはできない。

・負エネルギーの粒子が吸い込まれるため、結果的にはブラックホールのエネルギーは減り、ブラックホールは次第に小さくなっていく。
・ブラックホールが「蒸発」していくのだ。
・この蒸発の最終のプロセスがガンマ線バーストだという説もある。
・ブラックホールの蒸発の際には、新たに陽子や中性子も作られる。
・この時の温度は、T=10の32乗Kにも達する。



(k:ボルツマン定数、 M:ブラックホールの質量)

○一般相対論(古典論)では、ブラックホールからは光すら抜け出せないが、この蒸発は量子効果で起こる。

○ただし、蒸発しきるまでの時間は、太陽質量程度の星では10^145[year] となり、宇宙年齢 10^10[year] より十分大きい。一方、加速器で形成されるブラックホールの質量は 10^−27[kg] 程度と考えられており、蒸発時間は 10^−97[sec]。

○現在のところ、このプロセスについて確実なことは分かっていない。

○ホーキング放射のメカニズムを介して、ブラックホールのエネルギーを回収することができる、という説がある。[3] [4] [5] 

【参 照】
1.Yahoo!ニュース
2. ブラックホール- Wikipedia
3.ブラックホールの謎に迫る 2004年日本物理学会科学セミナー
「アインシュタインと21世紀の物理学」テキスト(2004年8月5日-6日)
高エネルギー加速器研究機構 夏梅 誠
4.「宇宙が始まる前には何があったのか?」ローレンス・クラウス(2013年11月刊)
5. Star Lifting - Wikipedia

【更新履歴】
20170307 ブラックホールとブラックホールの蒸発の統合
20171125 蒸発時間の修正

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