2019年2月21日木曜日

64 宇宙旅行 #宇宙旅行

64 宇宙旅行 #宇宙旅行

64-1 時間の壁
従来の技術だと・・・
・火星まで5か月。[1](地球と火星の公転のため、往復には2.6年かかる。)[2]
・太陽系から出るのに20~30年かかる。
・約4光年離れた一番近い恒星(ケンタウルス座アルファ星)に行くのに3万年かかる。[1]

⇒人間の他の惑星への植民は、機械や電子コンポーネントからなる知的マシンによって実現する。-スティーブン・ホーキング 



⇒ヒトが必要ならば、DNA情報から再生することになる。[3]

※人間が発明した乗り物の最高速度は、アポロ10号が記録した111km/s。[4]

64-2 新推進システム:レーザー推進システム 
:レーザーを宇宙船の帆に当ててその反射により推進する。(太陽風の利用も可能)
:宇宙船に搭載する燃料が少なく、光速の30パーセントにまで加速可能。[1]
:重量100kgの無人宇宙船を火星まで3日で送り込むことができる。(有人宇宙船の場合は1カ月程度)[1]
○課題:
・エネルギー源
・惑星軌道上に基地を設置する必要がある。[5]
・減速のために到着地にも基地を設置する必要がある。

※光速=300,000km / s

○レーザー推進システムの開発状況
1973~1975年 Mariner 10(米)が太陽風を推力に利用。[6]
2010年 IKAROS(実証機)は、ソーラーセイルによる光子加速を実証し、同年12月に金星フライバイに成功。[7]
2015年 ソーラーセイル宇宙船の実験機「ライトセイルA」(惑星協会(※(The Planetary Society)))が、太陽帆を展開するテストに成功。[8]
2016年 スティーブン・ホーキングとユーリ・ミルナーが約4光年離れた一番近い恒星(ケンタウルス座アルファ星)の探査計画を発表(⇒No.64-5)



※IKAROS== Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sun(JAXA)

64-3 反物質ロケット [4]
・陽電子と電子の「対消滅」を起こして、宇宙船の原動力にする。
・光速の40%を見込む。
・約4光年離れた一番近い恒星(ケンタウルス座アルファ星)に行くのに10年。 

○有効性の検証が必要:
・反物質の保存そのものが、現在のテクノロジーでは不可能(1gの反物質は、原子爆弾と同じ破壊力)。
・最も近い恒星に向かう旅に必要な反水素は約17gだが、反物質1gをつくるコストは約1,000億$。

64-4 星船 [9]
:太陽系以外の惑星に航行する宇宙船。

○星船の条件
人類が光速で長期の宇宙旅行をするには、次の条件を満たす必要がある。
1) 丈夫な殻を持つ。・・・必ずしも堅い必要はない。
2) 放射線を遮断する。
3) 重力を得る。

⇒このことから、星船は惑星を宇宙船に改造したもの(:惑星型宇宙船)と想定される。

64-5 恒星探査計画 :ブレークスルー・スターショット(Breakthough Starshot) [10]
○2016年4月 スティーブン・ホーキングとユーリ・ミルナー達が約4光年離れた一番近い恒星(ケンタウルス座アルファ星)の探査計画を発表。
○数グラムのミニ探査機(Nanocraft)を10分以内で光速の20%に加速する。
○探査機はケンタウルス座アルファ星に20年で到達する。

※Nanocraft:重さ数グラムの切手サイズの超小型宇宙船「スターチップ(StarChip)」(カメラ、コンピュータ、通信レーザー、プルトニウム電源、ソーラーセイル、光子スラスタ、ナビゲーションが搭載される)に1辺が4メートルほどの極薄の帆(Lightsail:Solarsail)を取り付け、地上からこの帆に向かってレーザー(100GW beam)を照射する。[11]


※StarChip + Lightsail:Nanocraft [12]


※StarChip [13]
※重さは1g。

○極端な加速、低温、真空、および陽子に耐えられるように、すべてのコンポーネントを設計する必要がある。
○また、レーザー推進システム等の開発に20数十年要する。(エネルギー源は核融合(⇒No.66 核融合発電))
○この計画では探査機はケンタウルス座アルファ星の横を数分で通過してしまう。[13]
○費用は100億ドル。


※レーザー推進システム [12]

○ちなみに、ケンタウルス座アルファ星はおよそ25,000年後には3光年まで接近する。

64-6 宇宙旅行のレベル
レベル1 ロケット型宇宙船
レベル2 宇宙船地球号 ⇒ No.70-2 地球を動かす計画=宇宙船地球号
レベル3 星船 ⇒ No.80 星船=宇宙船太陽系号
レベル4 転送装置
レベル5 ワープ ⇒ No.81 ブラックホールは別な宇宙の出入り口:ワームホール

【参 照】
1. NASAのレーザー推進なら、火星に3日で到達できる。
2. 火星往復が3ヵ月、プラズマビームの新推進システム
3. No.39 脳
4. 宇宙旅行を実現する「反物質エンジン」
5. 宇宙探査機のためのレーザー基地衛星
6. Mariner 10
7. 太陽帆(たいようほ、ソーラーセイル)- Wikipedia 
8. ソーラーセイル宇宙船「ライトセイル」が宇宙で太陽帆の展開に成功
9. 恒星船 - Wikipedia 
10. AFP BB ニュース
11.ブレークスルー・スターショット – Wikipedia
12. LIVE: Stephen Hawking and Yuri Milner to announce space exploration initiative “Starshot” 
https://www.youtube.com/watch?v=c7VPHGjT8A4
13. Will Starshot's Insterstellar Journey Succeed?
https://www.youtube.com/watch?v=fsARBnvUB2E
14. “20年でアルファ・ケンタウリに探査機到達を目指すプロジェクト”. Wired. 2016年4月18日

【更新履歴】
20170522 No.64-5 恒星探査計画 :ブレークスルー・スターショットへの資料追加

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