2018年1月2日火曜日

10 宇宙を構成するもの

10 宇宙を構成するもの 【宇宙とは】宇宙との対話

10-1宇宙を構成するもの [1]
(1)物質・・・・・・・・・・・・宇宙質量の 4.83%
    ・重元素    :0.03%
    ・ニュートリノ :0.3%
    ・星      :0.5%
    ・水素・ヘリウム:4%
(2)エネルギー・・・・・・・・・宇宙質量の0.17%
(3)暗黒物質(ダークマター)・・・宇宙質量の26.8%
・暗黒物質は質量を持つが、電磁相互作用をしないため、光学的に観測できない(4)暗黒エネルギー(ダークエネルギー)・・・・・・・宇宙質量の68.3%
・現在観測されている宇宙の加速膨張や、宇宙の大半の質量が正体不明であるという観測事実を説明するための仮説的なエネルギー。
    (ホーキングは真空エネルギーではないかと思っている。)
宇宙の構成.png
図:宇宙の構造[2]

10-2 物質の総量の観測 [3]
○宇宙に存在する物質の総量は、重力レンズ効果と、銀河団のX線放射の測定から推定されている。(p.76)
・銀河団の総質量は、X線を放出させる銀河団内のガスの温度と結びついている。(p.77)

10-3 仮想粒子[3] (p.112)
:観測されることはないが、計算上では想定される(= virtual)粒子。 
・場の量子論に従い粒子(素粒子)間の反応を計算する際には、仮想粒子の実在を考慮することによって、正しい答えが得られる。
・例えば、水素原子のスペクトルの微細構造を高い精度で計算できる。(p.113)
・電磁気力は光子と仮想光子により媒介される。
・・・電磁気の量子論によれば、静電場が生じるのは、荷電粒子が、エネルギーがゼロであるような仮想粒子を放出していることによる。
・・・エネルギーゼロの粒子は、消滅することなく宇宙の果てまででも進むことができる。(p.221)
※エネルギーがゼロであるような粒子が放出されても、エネルギー保存則は破られない。(p.234)

・また、陽子や中性子の内部では、クォーク間に働く強い力を伝えるグルーオンと仮想グルーオンが絶えず生まれたり消えたりしている。

○仮想粒子の特徴
・極短い時間、何もないところから生成されたり消滅したりする。
・極短い時間、エネルギー保存則を破る様な現象が起きる。
・プラスの電荷の物質とマイナスの電荷の物質が対になって生じる。

○仮想粒子のエネルギーの計算 [3] (p.118)
仮想粒子のエネルギーは次の式で計算できる。また、計算結果は測定値と一致する。
仮想粒子のエネルギー=全エネルギー - 実粒子のエネルギー
※実粒子:実在粒子を、実粒子と仮想粒子に二分して考える。
※計算方法
 ・仮想粒子は無限小の時間で消滅する。
 ・ある系のエネルギーの測定値は、測定時間の長さに反比例する。
 ・従って、無限小の時間で消滅する粒子は無限大のエネルギーを持つ。
 ・無限大の全エネルギーと実粒子のエネルギーを引き算すると有限な値を仮想粒子のエネルギーとして得られる。

○真空エネルギー ⇔ 宇宙定数 ⇔ ダークエネルギー ⇔ 仮想粒子のエネルギー・・・未解決問題 [2] (p.120)
・真空エネルギーは宇宙定数と同等に振る舞う。(1967年 ヤーコフ・ゼルドヴィッチ)
・しかし、残念なことに、仮想粒子が空っぽの空間に及ぼすエネルギーの推定値は、宇宙における他のすべてのエネルギーよりも120桁も大きくなる!

空っぽの空間.png

【参 照】
1. Wikipedia:宇宙
2. AstroArts” 「プランク」が宇宙誕生時の名残りを最高精度で観測” 2013
http://www.astroarts.co.jp/news/2013/03/22planck/index-j.shtml
3. 「宇宙が始まる前には何があったのか?」ローレンス・クラウス(2013年11月刊)

0 件のコメント:

コメントを投稿