28 並行宇宙【宇宙とは】宇宙との対話
28-1 多元宇宙(マルチバース)[1][2]
28-1-1 超弦理論とブレーン(薄膜)宇宙モデル [3]
・超弦理論では時空は11次元としている。(4次元を超える次元は余剰次元)
・複数の膜宇宙(ブレーン宇宙):並行宇宙の存在。(サスキンドによると10^200個)
・これらの宇宙では、次元の数や物理法則が異なる。
・重力子以外のすべての素粒子は膜宇宙から離れることはできないので、物質を交換することはできない。
・重力子は余剰次元を伝わるため、膜宇宙同士は重力波を使って交信可能。
・膜宇宙や反膜宇宙の衝突を想定している。
・高速で回転しているブラックホールはリング状につぶれる。そのリングの真ん中は並行宇宙へのゲートウエイとなる可能性がある。[4]
28-1-2 インフレーション理論と宇宙の多重発生(マルチプロダクション)[3] [5][6]
・1982年 佐藤勝彦ほかの提言
・宇宙から子ども宇宙が生まれる。
・子ども宇宙は親宇宙から完全に切り離されている。
・子ども宇宙を作るにはインフレーションを人工的に起こす必要がある。
・それは、宇宙の中で真空のエネルギーの高い、広い領域を作ることで可能となる。
・ただし、熱をうまく抜かないといけない。
・現在の宇宙にも真空のエネルギーはわずかに残っているので、この真空のエネルギーが相転移を起こす時に自然に子ども宇宙が生まれることが期待できる。
28-1-3 実宇宙と虚宇宙:宇宙の構造☆(2015)
・天の川銀河のある宇宙(実宇宙)が量子的揺らぎにより生まれたとすると、その外側にも量子的揺らぎの存在する宇宙(虚宇宙)が存在すると想定せざるを得ない。
・虚宇宙には量子的ゆらぎから生まれた他の宇宙(並行宇宙)が存在するだろう。
☆実宇宙の誕生からビッグバン
・量子的揺らぎが閾値を超えなければ、揺らぎの内に生じた物質と反物質は対消滅する。=実宇宙は生まれない。
・量子的揺らぎが閾値を超えると物質と反物質の対称性が破れ、1e-36秒後に反物質が急速に時空間を膨張させる。(原子(1e-10m)よりはるかに小さい実宇宙(1e-27m)⇒3ミリ程度(1e-3m):インフレーション:膨張速度は光速の60倍超)
(これが逆だと時空は潰れてしまうので実宇宙は誕生しない。)
・その直後から(1e-36秒後→1e-32秒後)高温の物質はビッグバンを起こす。
(実宇宙の大きさ:3ミリ(1e-3m)⇒10cm(1e-1m))
☆実宇宙の構造
・実宇宙の外側は反物資であり、並行宇宙の外側も反物質であることから、2つの宇宙は反発する。
☆実宇宙の未来
・実宇宙は膨張を続け蒸発する。=虚宇宙に生じた大きな揺らぎの結果の消滅
・蒸発する前には、実宇宙の反物質の外殻は脆くなっており、他の並行宇宙と衝突すると、両方の宇宙が崩壊する。
・ということは、他の並行宇宙同士の衝突により飛散した物質が実宇宙の外殻に衝突すれば、量子的にそれを観測できるかもしれない。
28-2 マルチバースと人間原理[8]
・マルチバースのほとんどでは、人間は生まれない。
・たとえば、・・・
・・・自然界の4つの力のうち電磁気力や強い力がほんの少し違っても、炭素が星の中で合成されない。
・・・空間が4次元の宇宙では、重力や電磁気力が距離の3乗に反比例するので、銀河や惑星系の構造、原子の構造が不安定になる。
・つまり・・・
・・・この宇宙は、まるで人間を生み出そうとしたかのように見事にデザインされている。:人間原理
28-3 並行宇宙間の交信
・重力波は次元を超えるので、超弦理論やM理論では、重力を通して他の宇宙と相互作用し得るとしている。 [1] [3]
28-4 観測
・NASAのジェット推進研究所およびESAでは、2035年に、宇宙重力波望遠鏡(Laser Interferometer Space Antenna (LISA):レーザー干渉計)を使って並行宇宙の重力を観測する予定だ。[8][9]
【参 考】
[1] Wikipedia:多元宇宙論
[2] Space.com/”5 Reasons We May Live in a Multiverse”20121207
http://www.space.com/18811-multiple-universes-5-theories.html
[3]「気が遠くなる未来の宇宙のはなし」佐藤勝彦(2013年刊)
[4] ミチオ・カク/ニューヨーク白熱教室「『万物の理論』の驚くべき予言」20150403
[5] Multi-production of universes by first-order phase transition of a vacuum
http://adsabs.harvard.edu/abs/1982PhLB..108..103S
[6] 宇宙の創成と未来 佐藤勝彦
https://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/docs/kouen_satou.pdf
[7] Wikipedia:人間原理
[8] Wikipedia:宇宙重力波望遠鏡
[9] LISA Project Office
http://lisa.nasa.gov/
28-1 多元宇宙(マルチバース)[1][2]
28-1-1 超弦理論とブレーン(薄膜)宇宙モデル [3]
・超弦理論では時空は11次元としている。(4次元を超える次元は余剰次元)
・複数の膜宇宙(ブレーン宇宙):並行宇宙の存在。(サスキンドによると10^200個)
・これらの宇宙では、次元の数や物理法則が異なる。
・重力子以外のすべての素粒子は膜宇宙から離れることはできないので、物質を交換することはできない。
・重力子は余剰次元を伝わるため、膜宇宙同士は重力波を使って交信可能。
・膜宇宙や反膜宇宙の衝突を想定している。
・高速で回転しているブラックホールはリング状につぶれる。そのリングの真ん中は並行宇宙へのゲートウエイとなる可能性がある。[4]
28-1-2 インフレーション理論と宇宙の多重発生(マルチプロダクション)[3] [5][6]
・1982年 佐藤勝彦ほかの提言
・宇宙から子ども宇宙が生まれる。
・子ども宇宙は親宇宙から完全に切り離されている。
・子ども宇宙を作るにはインフレーションを人工的に起こす必要がある。
・それは、宇宙の中で真空のエネルギーの高い、広い領域を作ることで可能となる。
・ただし、熱をうまく抜かないといけない。
・現在の宇宙にも真空のエネルギーはわずかに残っているので、この真空のエネルギーが相転移を起こす時に自然に子ども宇宙が生まれることが期待できる。
28-1-3 実宇宙と虚宇宙:宇宙の構造☆(2015)
・天の川銀河のある宇宙(実宇宙)が量子的揺らぎにより生まれたとすると、その外側にも量子的揺らぎの存在する宇宙(虚宇宙)が存在すると想定せざるを得ない。
・虚宇宙には量子的ゆらぎから生まれた他の宇宙(並行宇宙)が存在するだろう。
☆実宇宙の誕生からビッグバン
・量子的揺らぎが閾値を超えなければ、揺らぎの内に生じた物質と反物質は対消滅する。=実宇宙は生まれない。
・量子的揺らぎが閾値を超えると物質と反物質の対称性が破れ、1e-36秒後に反物質が急速に時空間を膨張させる。(原子(1e-10m)よりはるかに小さい実宇宙(1e-27m)⇒3ミリ程度(1e-3m):インフレーション:膨張速度は光速の60倍超)
(これが逆だと時空は潰れてしまうので実宇宙は誕生しない。)
・その直後から(1e-36秒後→1e-32秒後)高温の物質はビッグバンを起こす。
(実宇宙の大きさ:3ミリ(1e-3m)⇒10cm(1e-1m))
☆実宇宙の構造
・実宇宙の外側は反物資であり、並行宇宙の外側も反物質であることから、2つの宇宙は反発する。
☆実宇宙の未来
・実宇宙は膨張を続け蒸発する。=虚宇宙に生じた大きな揺らぎの結果の消滅
・蒸発する前には、実宇宙の反物質の外殻は脆くなっており、他の並行宇宙と衝突すると、両方の宇宙が崩壊する。
・ということは、他の並行宇宙同士の衝突により飛散した物質が実宇宙の外殻に衝突すれば、量子的にそれを観測できるかもしれない。
28-2 マルチバースと人間原理[8]
・マルチバースのほとんどでは、人間は生まれない。
・たとえば、・・・
・・・自然界の4つの力のうち電磁気力や強い力がほんの少し違っても、炭素が星の中で合成されない。
・・・空間が4次元の宇宙では、重力や電磁気力が距離の3乗に反比例するので、銀河や惑星系の構造、原子の構造が不安定になる。
・つまり・・・
・・・この宇宙は、まるで人間を生み出そうとしたかのように見事にデザインされている。:人間原理
28-3 並行宇宙間の交信
・重力波は次元を超えるので、超弦理論やM理論では、重力を通して他の宇宙と相互作用し得るとしている。 [1] [3]
28-4 観測
・NASAのジェット推進研究所およびESAでは、2035年に、宇宙重力波望遠鏡(Laser Interferometer Space Antenna (LISA):レーザー干渉計)を使って並行宇宙の重力を観測する予定だ。[8][9]
【参 考】
[1] Wikipedia:多元宇宙論
[2] Space.com/”5 Reasons We May Live in a Multiverse”20121207
http://www.space.com/18811-multiple-universes-5-theories.html
[3]「気が遠くなる未来の宇宙のはなし」佐藤勝彦(2013年刊)
[4] ミチオ・カク/ニューヨーク白熱教室「『万物の理論』の驚くべき予言」20150403
[5] Multi-production of universes by first-order phase transition of a vacuum
http://adsabs.harvard.edu/abs/1982PhLB..108..103S
[6] 宇宙の創成と未来 佐藤勝彦
https://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/docs/kouen_satou.pdf
[7] Wikipedia:人間原理
[8] Wikipedia:宇宙重力波望遠鏡
[9] LISA Project Office
http://lisa.nasa.gov/
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